買い替える前に、手持ちのPCで確かめる

手持ちのPCがあるなら、作りたい動画の素材で必要な作業を試すことから始めましょう。ソフトがまだ決まっていない場合は、使い方から候補を探すところからで十分です。

PremiereやDaVinci Resolveなど、候補のソフトの公式ページで、対応OSと必要システム構成を開きます。無料版・有料版、アプリのバージョンもメモしましょう。同じ名前のソフトでも、古い要件を見てPCを買わないようにするためです。

要件表にある『最小』と『推奨』は分けて読みます。最小条件を満たすことだけで、手元の素材が滑らかに編集できるとは判断できません。体験版などで試せるなら、普段使う素材を短く切り出し、再生、字幕、書き出しを一通り確かめると判断材料が増えます。

  • 再生・字幕・書き出しができ、待ち時間にも困らない:まず今のPCで1本作ってみましょう。普段の長さの動画で保存と書き出しまで確かめ、困る点がなければ買い替えを見送れます。
  • 読み込みや書き出しで止まる:止まる工程、ソフトの版、素材の形式、出力設定をメモします。公式の対応条件と照合し、不明な点があればPCの購入候補を決める前に確認しましょう。
  • 作れるが、待ち時間や持ち運びなどに困る:改善したい作業・条件を一つ決めます。下の『3行』に整理してからPC・パーツの比較へ進み、注文前に実構成・総額・保証を確認しましょう。

この節の資料:Adobe Premiere:必要システム構成

作りたい動画を、3行で書いてみる

『YouTube向け』だけでは、PCの使い方がまだ見えません。素材の形式、作業の内容、待ち時間への希望まで書くと、販売店にも相談しやすくなります。H.264やHEVCなどの形式が分からなければ、撮影機器の名前やサンプル動画を用意するところからで十分です。

例えば『スマホの4K・30fps素材』『完成3分、カットと字幕が中心』『週1本、夜に作業するので音が気になる』。これは条件の書き方の例です。この3行だけで特定のCPUやGPUが最適と決まるわけではありません。

  • 素材:撮影機器、解像度、フレームレート、形式が分かる範囲で
  • 作業:動画の長さ、同時に重ねる映像、字幕・色調整・合成の有無
  • 優先:持ち運び、静かさ、再生の待ち時間、納品までの時間

メモリとVRAMは、別々に確認する

商品欄の『メモリ32GB』と『GPUメモリ8GB』は別の項目です。PC全体のメモリと、グラフィックス処理で使うメモリを取り違えないよう、比較するときは列を分けます。Appleシリコンの統合メモリも、WindowsのGPUメモリ欄と同じ条件で単純に比べないようにします。

2026年9月30日に確認したPremiereの公式要件では、26.5を含む対象版のWindows推奨欄は、HD素材でRAM16GB、4K以上で32GB以上、GPUメモリ8GBです。Adobeが示す条件であり、ほかのソフトにそのまま当てはめる数字でも、書き出し速度の保証でもありません。

CPUのコア数やVRAM容量が大きいだけで、編集が必ず速くなると決めないことも大切です。使うソフト、素材、効果、ドライバー、ほかの部品まで含めて、確認できた条件をそろえて比較します。

この節の資料:Adobe Premiere:必要システム構成

組み立てに使う時間も、買い方の条件に入れる

自分で部品を選びたいなら自作、組み立てや不具合の切り分けを販売店に相談したいならBTOや組立サービスを候補にします。ここでは価格の優劣を決めず、どこまで自分で担当したいかで比べましょう。BTOでも、OS・モニター・保証の内容は商品ごとに確認が必要です。

自作を選ぶときは、CPUとマザーボードの対応表、必要なBIOS、メモリの確認リストを確認します。ソケット名やDDR世代の一致だけで、選んだ型番同士の動作まで確定させないようにします。ASUSの案内も、CPU・メモリの確認リストを調べる手順を示しています。

『GPUを後から買う』場合は、いま画面を映せる構成かを先に確認します。Ryzen 7 9700Xには内蔵グラフィックスの記載がありますが、それだけで編集ソフトの必要条件を満たすとは判断できません。Intelには内蔵グラフィックスを持たないF付きなどの型番もあります。正確なCPU型番、マザーボードの出力、ソフトの要件をセットで見ます。

買い方購入前に確認すること
BTO・完成品基本構成と注文後の構成、OS、納期、保証、修理時の送り先と費用
自作型番別の適合、付属品、組立時間、不具合時に相談する先
部品選び+組立サービス対応する部品、持込条件、作業費、保証の担当範囲

この節の資料:ASUS:CPU・メモリの確認リストを調べる方法 / AMD Ryzen 7 9700X:公式仕様 / Intel:内蔵グラフィックスを持たないデスクトップCPU / パソコン工房:SENSE-F189-LC285K-TKXの仕様と付属品の読み方

予算は、編集を始められる状態までで考える

PC本体の価格を見ていると、画面やソフトを後回しにしがちです。見積もりには、本体、必要なOS、編集ソフト、モニター、入力機器、音を確認する道具、保存先、送料を並べます。手持ちのものを使えるなら、買うものから外して構いません。

動画を保存する容量と、失いたくないデータを別に残す費用も考えておくと安心です。容量が足りなくなってから増設する案と、最初に用意する案を、同じ総額の表で比べてください。

ケーブルは、商品に付いているかを先に確認します。例えばBenQ PD2705Uの公式仕様には映像・USBケーブルの同梱記載があります。地域や販売SKUで異なる場合があるため、長さや欠品を確認してから追加します。『周辺機器だから全部別売』と考える必要はありません。

  • 買うものと、手持ちで使うものを分けた
  • 必要なOS・ソフトの初期費用と継続費用を入れた
  • 画面・入力機器・保存先・ケーブル・送料を確認した
  • 保証期間だけでなく、対象と修理時の手順も読んだ

この節の資料:BenQ PD2705U/PD2705U-JP:同梱品と接続 / パソコン工房:SENSE-F189-LC285K-TKXの仕様と付属品の読み方

候補を絞ったら、不明な項目を埋めていく

条件をメモしたら、比較ページでBTOか個別パーツかを選び、メモリ容量、接続、サイズなどを見ていきます。最初から1台に決めず、理由を説明できる候補を少数残すくらいで十分です。

比較表の『不明』は、条件を満たすという意味ではありません。BIOS、必要な配線、ケース内の余裕、付属品など、確認できていないところをメーカー資料と販売ページで埋めます。価格も、送料や変更した構成を含む注文時の総額で確認してください。

最後に『このソフトで、この素材を、どんな作業に使うPCか』を1文で説明できれば、購入前の相談がしやすくなります。合わない候補を外す理由を残しておくと、あとで部品を変更するときにも役立ちます。

  • 使うソフト・素材・優先条件をメモする
  • 比較ページで候補と未確認項目を保存する
  • 公式仕様・注文時の総額・保証を確認して購入先を決める